5月9日 飯能焼きの親方と何年ぶりかの再会です。 今回は、女流の焼物職人川久保久美子さんとの二人展です。会場は浜町、明治座のすぐ側の画廊です。会場に付くと“すっきりと黒いパンタロンスーツの女性”がにこやかに笑ってこちらに向かってきます。近くに来て分りましたが奥さんでした。以前とはまるで違う容姿にビックリです。親方はこの何年かで病気が原因してずいぶん太った様子。 回復後も後遺症で手が痺れて力も出なくて困ったそうですが今は普通になったとのことで安心しました。近頃は何か面白い仕事はとお聞きすると見せてくれたのは硯など書道の道具でした。著名な書家の協力と要望があり、その研究の成果で、まだ研究余地があるとのこと。 川久保さんの焼物は女性らしいソフトな印象で日用に使いたい様な器が並んでいました。 特に江戸好みの方にお知らせしますが、飯能近くに行ったら破草鞋窯(はそうあいがま)を訪ねて下さい。名工会から紹介されたと言えば安くしてくれるはずですが、これを親方に言うのを忘れましたが大丈夫だと思います。 ちなみに窯の名称ですが、鞋と言う字が使われています。蛙と勘違いする人が多いのですが草鞋(わらじ)のことです。従って「破が付いて破れたワラジ」と言う意味です。江戸を象徴するような意味を持っていると思います。因みに飯能焼きは、江戸の町の日常の器で東京の街から多数出土しています。さらに、日本橋界隈は飯能焼きなどが売られていた本拠地で、その場所での個展は意味あることです。親方は以前よりも肩の力が取れ自然体で、じっくりと向かっている姿勢を感じました。
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