スキップしてメイン コンテンツに移動

1/13 富田親方

1/13 櫛の話
今日は江戸時代から昭和初期まで縦櫛を専門に製造している最大手、武蔵屋さんを 訪ねた。江戸時代の組合が存続した時代ごとの節目に、常にリーダーシップを発揮 して組合長を勤め続けてきた別格の家柄です。当代の冨田親方は当会の殿堂職人で もあります。天皇の御成婚の時、美智子妃殿下の髪に付けていた櫛を作った親方で すから専門的な知識をお持ちの方の中にはご存じの方もいる筈です。
宮内庁への献上とは元来は差し上げるもので受理されれば誰でも可能なのですが、 富田親方の櫛は他の宮内庁御用達の職人の作品とも比肩しないもので、櫛で言えば 国宝級の職人と言えます。ともかく櫛の世界の生き字引きであり、これほど木櫛に 詳しい親方はいません。今回は櫛の材料に付いてご相談させて頂きました。様々な 櫛の話とともに、昔からの横櫛の呼び名なども教わり、今日は楽しい一日でした。


■ 柘植の産地 ■
左から、 
薩摩(カレ・庭栽培)
絶滅した三宅(自生)
御蔵島(自生)   
御蔵のカレ(庭栽培)


■ 柘植材外皮 ■
簡単に崩し落とせる薄い皮で、ごま状の斑点が特徴。


■ 柘植とシャム ■
柘植の枝(上段の枝)とシャム(下段の板)
シャム製の櫛が最近は柘植櫛として売られているが、これは異種の材である。
 皮も厚く、大きな木になる。材質は硬くて、柘植より幾分折れやすい。艶など
 の美しさは柘植に劣る。一般の人達にはこれら二つの区別が全く出来ないが、
 使っている内に黒ずんだ茶色の様な色になり、明らかに柘植とは区別がつく。
 数千円の品はほとんどがこの木材の櫛であるが、本柘植として売られている。


■ イス ■
昔から皇族の櫛としても使われている。この板は現天皇のご成婚の
時に、美智子妃殿下のお垂髪(おすべらかし)にさしたとのこと。
これは櫛を造った富田親方からその時の切り落としを頂いたもの。
 

コメント

このブログの人気の投稿

武蔵屋最後のつげ櫛のご案内 その2

担当Uです、こんばんは。 武蔵屋最後の柘植櫛は桐箱に入った状態で10本程度が標本の様に留められていた物です。これまで当会で販売してきた、む印のついた櫛の中で最大のセットとなります。担当Yが販売価格や販売方法を悩んで掲載をしなかった理由は大変高価になると考えられるものの転売などを避け、本当に大切にして頂ける方にお譲りしたいとの考えからだそうです。 当会としては、ヤフオクが妥当かと考えておりますが販売時期を含め、未定になります。 (余った話として担当Yは別の担当になり元気にしております。)

たまーにブログのたまに更新

 たまーにブログの更新が全くされないので、サイトの運営がされているのか質問をまた頂いてしまったので更新している担当Yです。名工会は2023年も運営されています! 最近のご注文で多いのは、せいろと裏ごしです。 ただ、製作が追いついておらず、お待たせしております。 次回の更新は新しい記事が書けると良いのですがどうでしょうか? それでは!

武蔵屋の櫛は欲しいけど...

武蔵屋の櫛は在庫が少ないので買えない! 櫛としては高くて手が出ないよ! いつ掲載されるかが未定過ぎる! はい、承知致しております、担当Yです。 武蔵屋の櫛は発掘作業みたいな感じなので、ごめんなさいです。 そこで! 櫛は買えないけど武蔵屋の材木を手にしてみたい! そんな方はいらっしゃいますか? 担当Yの思いつきなので実現するかは微妙ですが、当会のトップページで使用している様な板ならご用意できる可能性があります。 大きさは? 厚さは? 価格は? 状態は? まだ何も決まってません、これを書きながらモヤモヤっとしたお話ですので確約はできません。 手にしてみたい!って方がいらっしゃいましたら当会へメールをお送りください。 タイトルは“武蔵屋の材木”でお願い致します。 お名前はハンドルでも無くても構いません。 内容は、金額とか柘植櫛の疑問やら当会でプッシュして欲しい職人さんや品物やご要望、私は○○の職人です。とか何かを書いて頂けると参考にさせていただきます。 なお、添付ファイルはご遠慮ください。 内容に関わらず基本的には返信は致しませんのでご了承ください。 担当Yが受け取りますのでお気軽にどうぞ! info@meikoukai.com ※(この投稿は前回の続きではありません)